人身事故などが起こった際に行われるのが「振替輸送」です。
しかし、この「振替輸送」について正確に理解している人は少ないように思えます。
一般に、振替輸送の基本的な考え方は
・目的地までの本来の経路が運行不能になっているため、代替の経路を提供する
というものです。
例えば、「八王子駅」から「東京駅」へ向かおうとしたが、JRが人身事故で動かない場合、京王線を使って新宿まで出て… というものです。
しかし、この振替輸送を利用すれば運賃を節約できる場合があることをご存知でしょうか?
例えば、八王子→新宿 の経路を考えてみましょう。
運賃は次の通り。
京王線:367円
JR線:482円
ここで、京王線が振替輸送を実施していた場合、私たちは振替輸送としてJRを利用することができるわけです。
ということは、京王線の「八王子→新宿」の切符があれば問題なく使えます。
本来、JRを利用しようと思っている人でも、京王線の切符を買ってJRを利用する、というのも1つの手段という訳です。(ライフハック的な側面がありますね)
ここまでは誰もが知っていることかと思います。
では、「八王子→中野」まで行きたい場合はどうすれば良いでしょうか。
前提としては、京王線に輸送障害が起こっていた とします。
(つまり、京王線もJRも動き始めてはいる)
この場合、例外的に
京王線の「八王子→笹塚→(徒歩で)中野」 という経路も認められる場合があります。
JRの実際の運賃より、少し安い京王線の運賃で、利用することが可能な場合もあるということです。
つまり、
振替輸送というのは目的地までお客様を運ぶことが目的であって、
その経路内に徒歩やバス、タクシーが含まれていても、振替輸送対象外(バスやタクシー)はお客様負担になることを前提に、
認められる場合が多い
ということです。(なかなか説明するのが難しいですが…)
一般に、他の鉄道会社線への振替輸送については、発生した事象の内容や時間帯、またその影響範囲等により、振替輸送の対象となる範囲も個別に異なることから、一律な案内はできません。
ですので、今回のケースも個別的に扱われるケースではありますが、認められる場合もあるということです。
私自身、振替輸送を使うのに徒歩やタクシー、バスの組み合わせが認められる場合があることは知りませんでした。
振替輸送とは、乗客救済を目的に作られているものです。
有事の際に、しっかりルールを理解しておくと、目的地に着くのが遅くなる、なんてことが少なくなると思います。