ヤフオクとPayPayフリマでは、「商品満足サポート」というのがあります。使ったこと、又はこれから使う人向けに、知っておいて便利なことをメモがわりに書いておきます。
はじめに 〜商品満足サポートとは〜
「商品満足サポート」とは、ヤフオクが匿名配送に対応した際に始めたサービスです。
匿名配送は、互いの住所を知られないという、プライパシー保護の観点からするととてもよくできたシステムです。しかしながら、この匿名配送を悪用する輩もいるわけです。
例えば、
・商品説明と異なるものが届いた
・商品が破損している
・返品対応に応じてくれない
などが起こった場合、相手と連絡を取る手段は「取引ナビ」や「取引メッセージ」のみです。
匿名ゆえ、仮に何か相手から言われても、無視しても良い、と考える人がいます。
対応しなくても、相手は住所も分からないし、泣き寝入りするだろうと考える、不誠実な輩ですね。
こういう人に当たってしまった場合、結局のところ被害を被るのは「受取側」です。
ちなみに、一部の人はこれらを「詐欺だ!」と判断する傾向にありますが、実は刑法における詐欺罪とは、「相手を騙そうとした」というのを立証する必要があります。
これは、内心の問題になってきますので、客観的な証拠がない限り、警察もなかなか動いてくれません。(商品が届かない、となると話は別ですが、届いている場合は一般的に難しい。)
考えにくい例ですが、iPhone11を譲ります、と書かれていて石が送られてきたとします。
ぶん殴ってやりたい案件ですが、これでも相手が「私はこの石をiPhone11と名付けています」と言われるとちょっと困ったことになります。
というのも、民法でも、刑法でも、原則として「請求をする者(権利を主張する側)が責任を負う」からです。
結局のところ、万が一にもこういったことが発生した時、相手方に対する損害賠償請求を求めることが可能になるケースは多いですが、立証責任はこちら側にあるし、そもそも相手方の住所、氏名が必要です。(それがないと、訴状が送れません)
匿名配送となっている以上、現実問題としては弁護士や興信所を使わない限り、相手方の住所や氏名がわからないのが現状です。
では、警察は動いてくれるかというと、そう簡単に動いてはくれません。
というのも、もちろんん、本来は事件の大きさは無関係に対応すべきですが、実際には人員や時間的制約があることから、個人間レベルの大したことのない事件は扱いたくないのが現状なのです。
実際に私も、警察に相談したことはありますが、確固たる証拠を掴んでいたりしない限り、なかなか動いてはくれません。
この辺は、「ヤフオク 詐欺 警察」なんてググれば色々な人がブログを書いているのでそちらを参考にしてください。
誰かは、自分で「少額訴訟」を起こされて、その経緯をブログにまとめてた人もいた記憶があります。
これらが、実は匿名配送の最悪な点です。性善説の上に成り立っているものですので、外れくじを引くと厄介です。
これらの懸念を払拭すべく、上述した事項の、その「万が一」の事案に対応したのがヤフオクの商品満足サポートです。
詳細はこちらから ↓
私も実際に使用したのですが、幾つか注意点がありましたのでお伝えします。
まず、各種諸条件はこちらから読んでいただいた上で…
注意点1:1年間に、1人1回まで
Yahoo Japan IDは複数アカウント持つことを認められています。
だからといって、IDごとに回数がカウントされるわけではありません。バレないと思っている人もいるかもしれませんが、審査の過程で、本人確認証の提示を求められます。
これは徹底されているようですので、注意してください。
2回目を利用したい場合は、家族に代理してもらうのもいいかもしれません。(グレーですので自己責任で。)
もう少し確実な方法としては、1度申請したら、そのアカウントで購入するのは避けて、家族のアカウントで購入するなどは良いのではないでしょうか。
注意点2:手元に現物があり、写真を実際に取る必要がある
一般に、iPhoneやその他カメラで撮影した写真には、様々な情報が付加されています。
これは推測ですが、商品満足サポートに提出された写真は、それらの詳細情報まで見ている可能性が高いと考えられます。
以前、私の友人が、下記のようなメールをいただいたそうです。
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件名:ヤフオク! 商品満足サポート - 2次再申請のお願い
Yahoo! JAPANカスタマーサービスです。
「商品満足サポート」の2次審査にお申し込みいただきありがとうございます。
申請いただいた内容は、適用要件および審査申請の要件を満たしておりませんでした。
お手数ですが、内容をご確認のうえ、再度ご申請をお願いいたします。
オークションID・商品ID:a12345678
商品名:ヤフオク太郎
■不備の内容
<商品画像について>
・お手元の商品を撮影した商品画像であることを確認できませんでした。
商品画像が申請いただいた商品と一致しない、お手元にある商品であることが確認できない、または写真の明るさや撮影範囲などから情報を十分に確認できませんでした。
再度お手元の商品を撮影のうえ、ご登録ください。
(以下略・引用終)
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友人曰く、スマートフォンを購入したそうですが、不具合があったとのこと。
それを出品者に伝えても、取り合ってもらえず、今回申請したそう。
そして、その不具合のある製品は、メルカリに出品したそうです。そして、出品した商品画像のスクショを提出したとのこと。
実際に撮影はしなかったのです。その時に、このメールを受信したとのことですので、恐らくデータを解析している可能性は十分にあります。
(詳しくいうと、Exifというものです。iPhoneの写真で位置情報が付加されていることがありますが、これは、ExifにGPSにて得た情報が記録されているからです。)
以上のことより、必ず手元に商品がある状態で、撮影することが基本原則です。間違っても捨てたりしないでください。
注意点3:絶対に不正はしないこと
友人と共謀して、意図的にこのサービスを使おうと考えている人が万が一いたら、直ちにやめるべきです。
IPアドレスなど、色々な情報を総合的に加味された上で、後から必ずバレます。
また、不正行為は、刑事責任を問われることになります。
せいぜい1万円のためだけに、警察のお世話になるなんて、愚の骨頂です。
ここからは、個人的な推測ですが、このようなサポートというのは、一般的に保険会社と連携していることが多いのです。
ですので、不正をすると、下手したら保険金詐欺なんてことになります。ということで理由はともかく、不正はやめましょう。
終わりに&使った感想
ヤフオクの匿名配送は、お互いのプライパシーを守るという観点から非常に良い機能です。その一方で、悪用されれば多くの人は、泣き寝入りする以外、打つ手がありません。
そのため、落札者自身も、事前に相手の情報をしっかりと調べた上で、入札、落札をすることが大切だと考えます。
また、これは上限金額が1万円までです。
より高額な物については対応されていないので、どうしても、という場合は弁護士に相談してみてください。(費用倒れする可能性は高いですが…)
また、明らかに詐欺だという場合は警察に相談してください。
ヘルプにも書かれていますが、警察から「捜査関係事項照会書」が送られれば一発で相手の情報は取得できます。
使った感想ですが、特に難しいことはありませんでした。
すんなり審査に通って、申請した当時はTポイントで返還された記憶があります。
年1回とはいえ、使えるサービスはガンガン使っていいと思います。